#居候観察日記
en:linkシリーズの作品を作っていた、ある日のこと。
作業机の端に、見慣れないものがいました。
キラキラとの光る何か。
金属のような手足と…触覚?
さらにはこちらを見ているようにも見える、不思議な瞳。
最初は警戒したけど
完成した作品の隣で光っていたり、工具箱の上で眠っていたり。
なんだかかわいかったので、そのまま居候として置いておくことにしました。
しばらく経ったある日。
ふと頭の中に、声のようなものが響きました。
「にんげんとなかよくなりたいんだ」
本当に声だったのかは分かりません。
けれど、その子は確かにそう言った気がしました。
「うちの子になる?」
そう聞くと、その子は嬉しそうにきらりと光りました。
それから名前を付けました。
たくさん話をしました。
どうやら食べ物は必要ないようです。
日の当たる場所が好きで、暗い場所でもろうそくの灯りのそばでは楽しそうにしています。
水は苦手らしく、濡れるとしょんぼりした様子になります。
たまに機嫌が良いと、光を反射させて遊んできます。
ある日、その子が聞いてきました。
「あるじみたいに、ぼくらのことを怖がらず、大切にしてくれる人間って、ほかにもいるのかな?」
「いると思うよ」
私は答えました。
「私は、きみといると楽しいから」
そのとき、その子は笑った気がしました。
翌朝。
アトリエには、その子とよく似た個体が何匹も増えていました。
どうやら仲間を呼んできたようです。
みんな、人間と仲良くなりたいのだそうです。
……さすがに、こんなにたくさんは面倒を見きれません。
なので現在、新しい主を探しています。
名前はまだありません。
気に入った子がいたら、ぜひ名前を付けてあげてください。
きっと喜びます。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
上記の記録は
私が最初の居候と過ごした日の記録です。
けれど
これから先あなたの居候は
私の子とは違う姿を見せるかもしれません。
窓辺が好きかもしれませんし
本棚の上が好きかもしれません。
よく眠る子かもしれませんし
好奇心旺盛な子かもしれません。
同じ色の個体でも
性格や好みには違いがあるようです。
どうかあなただけの居候との時間を
楽しんでください。
もしよければ
その子のことを教えてください。
私たちはまだ
この子たちのことをよく知りません。
#居候観察日記